- 2021-04-02
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ぎっくり腰とヘルニアの違い。どっちか迷った時に実施するテストを解説します!
こんにちは。
訪問治療moveの高橋です。
今回は、最近電話をいただくことが多い、
いきなり腰が痛くなったんですけど……これって「ぎっくり腰」でしょうか?それとも「ヘルニア」でしょうか……
というお悩みを一緒に解決していきたいと思います!
痛みが発生した瞬間は焦りもあり、病院に行った方がいいのか、治療院や整骨院に行く方がいいのか、自分では判断がしづらいことも多いでしょう。
自分だけでなく、ご友人やご家族に急な腰痛が発生した際に、的確な判断ができるように、正しい知識を覚えておきましょう。
ぎっくり腰とヘルニアの違い
ぎっくり腰とヘルニアの大きな違いは「神経症状の有無」です。
ヘルニアは、脊柱の間にある髄核と呼ばれる軟部組織が神経を圧迫している状態です。
上のイラストを見るとわかりやすいですが、髄核のすぐ近くには神経根や脊髄などがあり、これらが圧迫されることでヘルニアが発症します。
腰部にヘルニアが発症すると「腰椎間板ヘルニア」と呼ばれ、腰痛以外にも以下のような症状が現れることがあります。
- 下半身の痺れ
- 下半身の脱力感
- 下半身の冷感
腰の神経は股関節や脚を通り、足先にまで伸びていきます。
そのため、腰椎間板ヘルニアを発症すると、足回りに痺れがれることが多いのです。
筋肉を支配しているのも神経なので、ヘルニアが起こることで力が入りづらくなることもあり、医学的には「脱力感」と呼ぶことがあります。
一方のぎっくり腰は、腰の筋肉や靭帯などの損傷によって起こっている場合が多いので、腰周辺に強い痛みを感じるものの、神経症状はほとんどのケースで認められません。
ぎっくり腰の詳しい解説は、以下の記事でも行なっていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
ぎっくり腰とヘルニアを判断するテスト
ぎっくり腰とヘルニアの違いは、神経症状があるかどうかです。
治療院やスポーツ現場では「いきなり腰が痛くなった」という患者様に対して、すぐにマッサージをするということはありません。
最初は、足の痺れの状態や左右の筋力を確認し、神経症状の有無を確かめます。
ぎっくり腰・ヘルニアの判断を間違えると、症状を悪化させてしまう可能性があるので、腕のいい施術師やトレーナーほど安易な治療を行いません。
ヘルニアの鑑別のために、神経症状が出ているかどうかを確かめるテストはいくつかありますが、以下の動画では自分一人でできるテスト方法を解説しています。
動画内で解説している「Kempテスト(ケンプテスト)」は、腰から始まる神経である坐骨神経を圧迫し、神経症状を誘発させます。
もし、ケンプテストで痺れを感じた場合はヘルニアである可能性が高いと言えるでしょう。
ぎっくり腰の場合は治療院OK!ヘルニアは原則病院へ
もし、腰痛がヘルニアによるものである可能性が高い場合は、症状の詳細を確認するためにもドクターの元で画像診断を受けるようにしましょう。
レントゲンやMRIを通して、ヘルニアが発生している場所や手術が必要なレベルかどうかをアドバイスしていただけるでしょう。
ぎっくり腰の場合は、治療院や整体でも症状を和らげることができるケースが多いです。
「ぎっくり腰で病院を受診したが痛み止めや湿布を処方され、安静を促されただけだった」
と仰る患者様も多くいられます。
ぎっくり腰の時の運動方法や、生活する上での注意をアドバイスして欲しい、とお考えの方は訪問治療moveにご連絡ください。
まとめ
ぎっくり腰とヘルニアは「痺れ・脱力・冷感」などの神経症状に注目することで、大まかな判断をつけることができます。
ご紹介したケンプテストは、整形外科でも行われるテスト方法です。
腰が痛いけど、治療院に行けばいいのか病院に行けばいいのか分からない……!
とお悩みの方は、ケンプテストを行なった上で神経症状が出ているかどうかを把握して判断しましょう。
もし、神経症状が出ている場合は、お医者様のもとで画像診断を受け、今後のプランを話し合う必要があります。
ぎっくり腰の場合は、私たちのような疼痛除去や運動指導をメインに活動している治療院での治療をおすすめします。
リラクゼーションマッサージのように、筋肉を揉みほぐすことが目的のケアでは、ぎっくり腰の症状である炎症を悪化させるばかりか、ヘルニアとの鑑別をされないままにマッサージをされたケースもあります。
訪問治療moveで行なっている「ぎっくり腰レスキュー」では、最初に患者様の状態を把握し、治療の適応内であるかをチェックします。
患者様の中には、ヘルニアの症状が強かったため、治療をせずに病院への受診を勧めた方もいます。
腰が痛いから、マッサージをしよう……と安易に考えずに、様々な可能性を考慮した上で治療を選択するようにしましょう。