ぎっくり腰の時の入浴はNG!?知らないと怖いぎっくり腰の知識、解説します。

こんにちは。訪問治療moveの高橋です。

今回もぎっくり腰を発症した患者様からの質問にお答えする形で、解説をしたいと思います。

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院長 高橋

今回解説するのは、ぎっくり腰を発症してすぐの方に多い、

  1. 入浴は大丈夫なのか
  2. コルセットは有効なのか

の2つの質問についてです!

動画でも解説していますが、訪問治療moveのブログは発表された論文などを元に、健康に関する情報を皆様に発信しています。

他の治療院が出している記事では断定した書き方になっている内容も、しっかりと情報元を調べると意外と不明な点が多かったりもしますよね

しかし、医学にはまだまだ「未知の領域」がいくつもあります。そんなところも解説しながら、皆様の健康に貢献できればと思います。

ぎっくり腰の時に入浴するのはOK?

ぎっくり腰を発症したときの入浴は、急性期には控えるようにしましょう

ぎっくり腰自体の原因や状態が多岐にわたるため、一概にNGとは言えませんが、ぎっくり腰を発症した直後は炎症が発生しているケースがほとんどです。

 

「炎症」とは
怪我やウイルス・細菌の侵入によって、発生する。
捻挫などでは、体内の組織が傷つき、血管から血液成分が漏出することによって、発痛物質が放出され以下のような代表的な症状が発生する。
  • 発赤
  • 熱感
  • 腫張
  • 疼痛
  • 機能障害

参考:「ザ・クインテッセンス2012年3月号

炎症が起きた際の処置は、既に医学的にも確立しており「RICE処置」と呼ばれています。

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副院長 長町

「RICE」とは、

  • R:REST(安静)
  • I:ICE(冷却)
  • C:COMPRESSION(圧迫)
  • E:ELEVATION(挙上)

の頭文字を取った処置です。

つまり捻挫なども含め、炎症が起きた時は「頭より高い位置を保ち、アイシングや圧迫を加えながら安静にする」のが、一般的な正解になります。

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ぎっくり腰は「普段通りの運動をした方がいい」のではないの?

というご質問もよくいただきます。

以前の記事でも解説しましたが、ぎっくり腰を発症した患者を「普段通りの生活」と「できるだけ安静」の2つのグループに分けた場合、普段通りの生活をしていたグループの方が回復が良かったと言うのは、統計的には事実です。

しかし、ぎっくり腰による炎症が治まっていない「急性期」に痛みをこらえて動くのは、悪化のリスクが非常に高く、お勧めできません。

炎症が発生している急性期は、RICE処置を心がけ、入浴や運動はできるだけ避けた方が良いでしょう。

急性期の目安は、個人差もありますが平均して発症から3〜7日間を目安にしてください。

ぎっくり腰の時にコルセットはOK?

コルセットは、腰椎や骨盤を安定させる補助的な機能を持っています。

日本腰痛学会雑誌」によると、ぎっくり腰が疑われる患者の多くは、腰椎の間にある椎間板や繊維輪の異変がみられることがわかっています。

そのため、筋力を発揮すると痛みを感じることが多く、横になっていた(筋力を発揮しない)方が楽になります。

コルセットは、筋力を発揮しなくても姿勢を維持することに役立ちます。

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院長 高橋

RICE処置にもあったように、炎症が起こっている急性期では、ある程度の「安静」期間が必要になります。

コルセットを使用することで、自分で意識的に発揮する筋力は軽減されるので、痛みが強い急性期であれば心強いでしょう。

しかし、あくまで筋力を補助するためのものであることは忘れてはいけません。

ぎっくり腰を繰り返してしまう方の中には、日常的にコルセットを装着している方もいますが、この行為は、腰の筋力低下を助長する恐れがあります

筋力は使わなければ、どんどん退化していくものです。

コルセットをつけることで、安心感を得られるかもしれませんが、本来は自分の筋力で保つべき姿勢や運動もコルセット無しではできなくなってしまうかもしれません。

そのため、コルセットの使用は「急性期の痛みを抑える」と言う目的でのみ使用することをオススメします。

ぎっくり腰の時の入浴、コルセットの使用を動画で解説!

ここまで解説した内容は、以下の動画でもまとめてあります。

また、急性期の痛みは、医師による投薬だけでなく、腰部治療の経験が多い治療家の施術でも軽減することができます。

もし、ぎっくり腰にお悩みの方はぜひ、訪問治療moveのスタッフにお問い合わせください。

まとめ

ぎっくり腰を発症した際の対応をまとめると以下のようになります。

急性期 急性期後
入浴 炎症がある場合は基本的にはNG 入浴可能
コルセット 痛みが強い場合は装着 できれば外して生活

急性期に炎症を発症しているか」が非常に大きなポイントです。

幹部を温めることで治療を行う場合もあり、治療効果に関する論文も多く発表されていますが、温熱治療を開始するタイミングはとても判断が難しいものです

タイミングを誤ると、症状が悪化する可能性もあるので注意が必要です。

ご自身でケアをする場合は、一般的に提唱されているRICE処置を意識して、急性期は安静・冷却を行う方が効果を期待できると言えます。

逆に、コルセットの使用は急性期に留め、再発の予防は適切なケアやトレーニングによって行いましょう。

薬や補助に頼るのではなく、自分の体で障害を予防するのが、健康的な生活の第一歩と言えるでしょう。