- 2020-06-25
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訪問マッサージと介護保険の併用は可能?どんな違いがあるの?
こんにちは。「心と体を動かす」をテーマに治療を行う【訪問治療move】の髙橋です。
今回は、訪問マッサージ・鍼灸治療を保険で取り扱う患者様からお問い合わせが多い、訪問マッサージと介護保険の併用について解説したいと思います。
結論から言うと、私たちが行っている保険を用いた訪問治療は、介護保険が適応される訪問リハビリテーションとは別物なので、併用が可能です。
【訪問治療move】をご利用いただいている患者様の中にも、介護保険と併用し健康の維持や増進をされている方が多くいらっしゃいます。
この記事では、訪問マッサージと介護保険の違いや訪問マッサージの効果について詳しく触れていきたいと思います。
目次
訪問マッサージとは?
訪問マッサージとは国家資格である、あん摩マッサージ指圧師を取得した者が患者様の自宅に訪問して行うマッサージのことを指します。
医療上必要と判断された場合には、健康保険が適応され患者様の負担が「1~3割」に抑えられます。
歩行が困難な方などは往診の必要があるため、ご自宅にお伺いした上で約30分の治療を行っています。
訪問マッサージの他に訪問鍼灸と言う治療もありますが、この二つは保険が適応される疾患や症状が異なります。
マッサージと鍼灸で保険の対象となるものは以下の記事にまとめてありますので、ご自身やご家族がどのような疾患・症状と照らし合わせてみてください。
訪問マッサージと訪問リハビリテーションの違いは?
訪問マッサージで保険が適応される場合は、健康保険が適応になります。
一方の訪問リハビリテーションで適応されるのは、介護保険になります。 そのため、介護保険の点数が不安な場合でも、それとは別物として保険を用いた訪問マッサージをご利用していただくことができます。
訪問リハビリでもマッサージを行うことが多いため、混同してしまうこともあるかと思いますが、訪問マッサージと訪問リハビリテーションには以下のような違いがあります。
訪問マッサージ | 訪問リハビリ | |
---|---|---|
マッサージの目的 | 関節可動域の拡大 筋萎縮への治療 | 日常生活を想定した機能回復と維持 |
対象となる方 | 保険適応の疾患・症状でお悩みの方 | 要支援・要介護者 |
保険適応 | 健康保険 | 介護保険・医療保険 |
提出書類 | 医師の同意書・診断書 | 医師の指示書または診療情報提供書 |
それぞれの項目を詳しく解説していきましょう。
マッサージの目的
あんま指圧マッサージ師が行う訪問マッサージは、「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」「筋萎縮(きんいしゅく)・筋麻痺」の症状を抱える方へ治療を行います。
筋力の維持や関節可動域の拡大を目的に、血液やリンパ液の循環を改善させます。
理学療法士などが行う訪問リハビリテーションでは、要支援・要介護の認定を受けている方が、日常生活を送るために必要な身体機能の回復、維持が目的になるため、「スプーンを持つ」などといった機能訓練がメインになります。
対象となる方
訪問マッサージでは、適応とされる疾患が「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」と「筋萎縮(きんいしゅく)・筋麻痺」と定義されています。
「脳梗塞(のうこうそく)」や「変形性関節症」、「パーキンソン病」などで関節・筋肉の動きが制限されている方、ご自身での運動が難しく筋肉が痩せてしまい萎縮を起こしている方が対象です。
訪問リハビリテーションは、要支援・要介護者認定されている方が対象です。
マッサージでもリハビリテーションでも、医師により在宅での治療が認められている方に限ります。
保険適応
訪問マッサージでは「健康保険」が適応されます。往診料を含めても患者様の負担は「200〜900円/回」程度に抑えられます。
そのため、介護保険の点数を気にすることなく、治療費を抑えて患者様に施術をお受けいただくことが可能になっています。
訪問リハビリテーションでは、「介護保険」と疾患によっては「医療保険」が適応されます。
提出書類
訪問マッサージで健康保険を適応させる場合は、お医者様による「同意書」が必要になります。
この同意書は、
- 特定の疾患・症状(関節拘縮など)を抱える患者様である
- マッサージによる医療的効果が期待できる
- 通院が難しい
といった場合に交付されるものです。
患者様はもちろん、ご家族でも経験したことがない手続きになることがほとんどですので、【訪問治療move】では無料で訪問マッサージ・鍼灸治療に関するご相談をお受けしております。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせ
訪問リハビリテーションでは、医師の指示書または診療情報提供書が必要になります。
訪問マッサージの効果は?
ここからは、訪問マッサージを受けた際の効果について、【訪問治療move】で行っている治療とともに、いくつかご紹介したいと思います。
関節の柔軟性を回復させる
マッサージは血液や体の老廃物を含むリンパ液の循環を促進させることで、筋肉の機能に働きかけ、関節の柔軟性を回復させます。
関節の拘縮が進んだ患者様でも、マッサージを受けることで症状の進行を緩和させることが期待できるでしょう。
筋力の強化・維持
マッサージの中でも可能な範囲で患者様自身が、関節を動かす手技を取り入れることで、筋力の維持や強化ができます。
横になっている時間が長くなると、使われなくなった筋肉はどんどん痩せてしまいます。
【訪問治療move】では患者様・ご家族のご意向も聴きながら、筋肉に運動刺激を与える手技を採用しています。
麻痺の回復
筋肉が麻痺を起こす原因は神経にあります。
先述したような手技を取り入れ、神経に刺激を入れつつ、循環を改善させることで麻痺の回復や、残存している機能の維持を目指します。
浮腫(むくみ)・床ずれの予防
体の循環が悪くなると、血液やリンパ液が体内にたまり浮腫(むくみ)の原因となります。
手や足は循環をコントロールしている心臓から遠いこともあり、症状が出やすい部分です。
横になっている時間が長い方は、浮腫や床ずれへの定期的な対処が必要になるので、ご家族と協力し、予防に努めています。
まとめ
訪問マッサージと訪問リハビリテーションは、対象となる患者様や保険などに関して大きな違いがあります。
訪問マッサージは介護保険を使わずに、健康保険を用いて治療を行うため、介護保険との併用が可能になります。
「関節拘縮」「筋萎縮・筋麻痺」でお悩みの患者様やご家族様にとって、幸せで健康な時間を過ごせるよう、訪問マッサージによる治療をお勧めいたします。