ストレートネックを治すために「絶対に知って欲しい背骨の解剖学」

皆様こんにちは。

訪問治療moveの髙橋です。

最近の治療で「ストレートネック」に関するご質問をいただくことが多かったので、ブログでも簡単に解説をしたいと思います。

「ストレートネック」ってどんな状態?

まずは、首の骨(頸椎)の解剖学的な解説から始めましょう。

人間の背骨は骨盤と頭蓋骨を繋ぐ24個ある骨の総称です。

内訳は以下の通りです。

  • 頸椎:7個
  • 胸椎:12個
  • 腰椎:5個

これらの骨が連結することで、背骨には「椎間孔(ついかんこう)」と呼ばれる穴が作られ、神経や血管が通過していきます。

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院長 髙橋

背骨は連結の際に、各部位毎に自然にカーブを描くように設計されています。

もし、この曲線がなかったら、背骨にかかる負担を外に逃すことができず、腰や首に相当な負担がかかってしまいます。

ストレートネックとは、スマホやPCの過度な使用により、頸椎のカーブが減少し首への負担が大きくなっている状態です。

首のカーブは「生理的前弯」と呼ばれている

先ほど解説した背骨のカーブについてもう少し詳しくお話ししましょう。

背骨のカーブは、頸椎と腰椎は「前弯」しており、胸椎は「後弯」しています。

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副院長 長町

これらのカーブは生まれつき人間に備わっているもので、生理的湾曲(せいりてきわんきょく)と呼びます。

ストレートネックは、頸椎の前弯が減少したものですが、腰痛の場合、弯が増加することで「反り腰」と呼ばれる状態になります。

動画でも詳しく説明しているので、是非参考にしてみてください。

ストレートネックの原因は?

ストレートネックは主に「うつむき姿勢」を伴う生活習慣によって起こります。

特に近年は「スマホ首」と言われるくらい、スマホの使いすぎによるストレートネックが増えています。

スマホに熱中すると、長時間俯いて作業してしまいますが、首にとっては非常に負担の大きい姿勢です。

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副院長 長町

生まれつき、頸椎の前弯が少ないという方もいますが、

臨床上で見かけるストレートネックの方の多くは生活習慣が原因です。

デスクワークで一日中パソコン作業という方は、ストレートネックになる危険が高いので、デスクの高さ、モニターの位置、キーボードの位置、首のセルフケアに気を配りましょう。

ストレートネックはどのくらいの角度が目安?

ストレートネックの状態を正しく把握するためにも、

  • どのくらいの角度が正常
  • どのくらいの角度からストレートネック

この2点について解説をしましょう。

頸椎前弯の正常角度

頸椎の前弯は20度が正常と言われています。

頸椎の角度が乱れることによって起こる障害はストレートネック以外にも以下のようなものがあります。

頸椎の前弯が乱れた状態の疾患
  • 頸椎すべり症
  • 頸椎症
  • 頸肩腕症候群

ストレートネックは、これらの疾患を招くトリガーにもなり得るので、この記事やご紹介している動画を確認し、原因となる姿勢を改善しましょう。

ストレートネックは何度から?

生理的な角度である20°の傾きが無くなるとストレートネックと言われます。

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副院長 長町

レントゲンを撮らなくとも、自分の姿勢を横から見て、頭が前に出ている感じがあればストレートネックの可能性があります。

もしかしてストレートネックかも、という方はぜひ一度、訪問治療moveスタッフにご相談ください。

ストレートネックを治すには?

タオルを使った矯正や首回りのストレッチで「無理やり頸椎のカーブを作る」という方法がYouTubeやストレートネックに関する記事で紹介されています。

ですが「根本的に治したいなら」これらのセルフケア方法だけでは足りないかもしれません。

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院長 髙橋

もちろん、これらのセルフケア方法が悪いというわけではありません。

こういった矯正を続けることでストレートネックが改善した例も聞きます。大切なのはストレートネックになっているのが、首ではなく、胸椎、腰椎、骨盤が原因になっている場合もあるということを知っておくことです。

ストレートネックを治すには「土台」から整えよう!

背骨というのは全体がS字構造になっており、ストレートネックは頸椎の前弯が減少した状態です。

そして、胸椎は後弯、腰椎は前弯しています。ストレートネックの治療を行なっていく上では、胸椎の後弯、腰椎の前弯角度も診ておくことが大切です。

というのも、例えば胸椎の後弯が強くなった場合には頭が前に出やすくなることで頸椎への負担が強くなり、いくら頸椎の治療をしても胸椎のせいで効果が出ないということが起こってきます。

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院長 髙橋

胸椎の後弯が強くなった状態は「猫背」や「巻き肩」、腰椎の前弯が強くなると「反り腰」になります。

これら、頸椎よりも下の部分(土台)が傾いていると、いくら首の矯正をしても、その下が正常な状態にないので、効果が出ない。または、効果が出てもすぐに戻るということが起きてきます。

ストレートネックの治療をしても中々良くならないという方は、土台部分に原因が潜んでいる可能性があります。

まとめ

「ストレートネックですね」と言われると、

「いかにも首に問題がある」ように感じてしまいますが、実はストレートネックの原因は頸椎以下の「胸椎」「腰椎」「骨盤」にあることがよくあります。

ストレートネックの治療をいろいろと試したが、ほとんど効果が出なかった。

根本的にストレートネックを改善していきたい。

という方は、ストレートネックの原因となる生活習慣を見直し、首以外の問題を意識的に治療していくことが重要です。

訪問治療moveでは、症状の根本的な解決を大切にして治療を行なっています。

ストレートネックによる肩こりや頭痛で悩んでいるという方は是非一度ご相談ください。